退職代行を使って突然やめてもペナルティはない?「バックレ」とどう違うのか

2023年5月22日

退職って神経を使いますよね。

辞め方しだいでは、勤務先に迷惑をかけないわけにはいきません。ただ、大っぴらにトラブルになるのは避けたいことです。

退職代行を使った上で「即日退職」することは、会社に迷惑をかけたり訴えられたりするような行為なんでしょうか。

法律上の扱いや、ペナルティの有無についてお話しします。

 

【この記事で解消される疑問】

 

「即日退職」と「バックレ」の違い

「バックレ」と退職代行を使う「即日退職」の違いは?

「退職代行に高いお金を払うなら、いっそのこと”バックレて”しまおうか?」

そう思ってしまうのも、仕方のない事です。人間関係がうまく行かなかったりパワハラがある職場だったりすると、なおのことですよね。

無断欠勤を続けて辞めること、つまり「バックレ」という行為は、会社に多大な迷惑をかけるだけでは済みません。きちんと連絡した上ですぐに辞めさせてもらう「即日退職」にはないデメリットがあります。

即日退職とバックレの違い
連絡ありの即日退職 無断欠勤を続ける「バックレ」
懲戒解雇の可能性 ほぼなし あり
有休消化 勤務先の判断しだいで可能 原則不可
緊急連絡先(実家や家族)への連絡 原則としてない ある場合が多い

 

違い①懲戒解雇の可能性

即日退職とバックレの最大の違いは「懲戒解雇の可能性」です。

ほとんどの就業規則に「2週間以上の無断欠勤は辞めさせる」とハッキリ書かれているため、企業としては堂々と「退職」ではなく「会社都合退職(解雇)」という扱いに出来るんです。

解雇された場合、失業保険は3カ月先までもらえません。すぐに転職活動をすれば問題ないように思いますが、懲戒解雇であることを隠して就職活動をすることは出来ません。再就職先でも解雇されたことがバレると、ウソをついて入社した=就業規則違反者として解雇されていまいます。

 

違い②有休消化できるかどうか

有休消化は基本的に申告制ですから、無連絡では消化しようがありません。

退職もしくは解雇扱いになったあとに「有給を買い取ってほしい」と要求することも不可です。会社の有給買い取りは違法ですし、そもそも有給休暇とは会社に在籍している間だけ発生する権利です。

何も意思を伝えないままだと、未消化の有休をまるまる損してしまうことは確実です。

 

違い③親への連絡有無

突然連絡が途絶えたことで、事件や事故に巻き込まれているのではないかと心配をかけてしまうのも問題です。

緊急連絡先(=親や親類)に連絡されることは言うまでもありませんが、会社にとっても手間・迷惑でしかありません。本来はしなくていい連絡をさせてしまうことで、会社の業務自体にも支障をきたしています。

 

「即日退職」は合法!ペナルティはない

「今日辞めます」は合法!退職代行を使ってでも連絡を

ペナルティの多い”バックレ”に対して、即日退職は合法です。

その根拠は民法628条にあります。他の規則では「30日前」「2ヵ月前」といった退職意思の告知期限があるのですが、628条には「やむを得ない事情がある場合はすぐに退職できる」と明記されています。

 

民法628条(やむを得ない事由による雇用の解除)

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。

 

体調不良だった・精神的苦痛を受けた・職場の人間関係が合わなかった…これらはどれも「やむを得ない事情」と考えられます。

即日退職したい人を勤務先が無理に引き留めると、むしろ勤務先のほうが法律違反扱いになるのです。

 

優先関係は「民法>労働基準法>会社の就業規則」

30日前・2カ月前といった規則は、それぞれ労働基準法と就業規則に書かれています。

このうち勤務先の就業規則は、あくまでも勤務先が独自で作ったルールでしかありません。もし裁判になってしまった場合、就業規則より民法・労働基準法のほうが重視されます。

労働基準法に書かれている「30日間」という期限については、誤解をうけがちです。

この告知期限を設けている労基法20条は「労働者を解雇しようとする企業」に対する決まりであって、自分の意思で退職する人には関係のないものです。

つまり、民法628条の「やむを得ない時はいつでもやめられる」という決まりが、退職代行を使う場合・使わない場合両方の鉄則になります。

 

モメずに即日退職したいときの伝え方

退職代行を使ってモメずに辞めたい時に伝えること

退職代行サービスを使ってトラブルなくすぐ辞めるには、業者に相談するときの伝え方が肝心です。

「バックレ」ではないことを強調するために、退職代行をやってもらうときの要点をまとめておきましょう。

精神的に追い詰められてすぐ思いつかないのであれば、実績のある業者に相談しましょう。状況に合わせて伝えるべきことをアドバイスしてくれますよ

 

退職代行サービスへの相談時の伝え方

  • もう二度と出社しないこと
  • 有給消化の意思があること
  • 事件・事故に巻き込まれたわけではないこと

 

退職代行のまとめ

無連絡で「即日退職した」つもりだと、後々ソンをするのは自分自身です。

会社にも迷惑をかけてしまいますし、回りまわってお世話になった同僚や上司がとばっちりを受ける可能性も否定できません。

その日のうちに辞めることは労働者の権利ですし、代行業者を使ってでも連絡を入れておけば円満退職も十分可能です。

「辞めますの一言が言えない」そんな時は退職代行サービスを視野に入れておきましょう。

このサイトを運営している人

こんにちは!
「退職代行は違法!?」運営者のミーアです。
元プログラマー・現ブロガー。IT会社を辞めて1年です。
月残業80時間に耐えかねていたころ、退職代行というサービスを知りました。
僕自身が「怪しいな?」「違法じゃないの?」と疑問に思って調べたことをまとめています。